翼を広げて

この歳で登山をはじめ、すっかりはまり、ただのハイキングでは納得できなくなってその先へと進むブログです。

人生に転換期4

ネパールへの出発の日、空港まではうちのお隣さんがLA国際空港まで送ってくれました。
荷物は65LBのオスプレイバックパック。


オスプレイはコロラド州にある企業で、これは女性用の最新タイプでお値段$259.背中に空気が通るようにメッシュになっていて腰にあたるベルトの部分が女性の腰にぴったりと合うようになっています。お店には宣伝はありませんでしたが、実はこのオスプレイは一生保証でバックパックが破損した場合コロラドの本社に壊れたバックを送ると新しいバックを送り返してくれるという頼もしいおまけがついての高額値段バック。勿論!送料は自腹です・・・・。パーツが壊れた場合もインターネットでオーダーすると送ってもらえるそうです。

今回は私の雪登山靴を持参しないといけなくて、靴を入れるとバックの三分の一のスペースをとってしまうので65LBにしました。実際には後に使うには147cmしかない身長の私にはいくら女性用といっても大きすぎて無駄になってしまうことも頭にはあったのですけど、荷物はいっぱいあるので仕方なくこれにしました。

靴はこちら。Scarpa Women's Mont Blanc Pro GTX Boot。約$400するこの靴はヨーロッパ製なので小さめで足の細い形ですが性能は抜群です。この靴を私は運よく$200のアマゾンセールで購入することができました。頑丈にできているだけあって重いです。


さて、パンパンに詰まったオスプレーバックを車輪のついたキャリーにしばりつけて、機内持ち込み用に普通のサイズのバックパック(これは普段から使っていた気合の入ったバッグです。)を持って空港へ行き、キャリーに縛ったままのバックパックをカウンターで預けて出国となりました。


LAからネパールに飛ぶのって、大変なんです。安い飛行機で行こうとすると行きだけなぜか時間がものすごくかかるのです。それは乗り継ぎ時間が偉い長いせいで、私が買った飛行機は香港経由で香港での待機時間がなんと15時間。。。。。これでが香港の空港ホームレスという体験を味わいました。。
日本の上空を通過して、富士山を下に見下ろし香港まで飛んだはよかった。
12時間も香港でどうしようか?と考えていましたが有料ラウンジを10時間使用することにしました。
シャワー、15分マッサージ、飲み食いついて$100. もう出費はやめて~と重いながらも仕方がない。。。。夜の間はソファーを動かして二つの椅子を合わせて横になって寝ました。
10時間が過ぎてラウンジを出たあとは空港内をうろうろ。
乗り継ぎの飛行機はカタール系由、カトマンズ行き。香港までは両となりに英語の話せないインド人に囲まれて、英語が話せないながらもテレビの使い方を教える羽目になって忙しかったので、カタール行きがどうなることやと思いましたが、運よく隣は誰もすわりませんでした。


そして、無事にカトマンズに着いたのが現地時間の夜の11時半。アメリカでは正反対の昼。しかし、すでに香港で時間が狂っている私の頭は時間が完全に狂ってました。


さて、さて、ネパール!!これが驚きのネパール!!カトマンズって冗談でしょ??のオンパレードでした。!!!!!


つずく・・・・


人生の転換期 3

雪山登山のギアというものに関しては全く無知でした。
なのにトレッキングのガイド君は実にかるーくお話してくれます。
「ジャケットが3枚かな、フリースのジャケットが3枚、防寒下着とか、雪山登山用の靴に、ズボン。ジーンズはだめだな、伸びちじみするのが動きやすいから。あと手袋も2枚重ねできるように。スリーピングバッグもみんなマイナス20度から30度のもの。」


・・・・・・へ??


マイナス20度の世界ってなんなのよ?。。。。。。
それから毎日アマゾンのギア探しがはじまりました。
カトマンズまでも飛行機の切符はもう購入してありました。ネパールについてからの費用も聞いてますから後はギアだけ。!
ところが、、、、登山靴、$500?!!!! なんという金額!!
ジャケット、$300 !!!!、スリーピングバッグ、$800!!!
んな馬鹿な?!!! 冗談じゃない。!!
全く、ちょっとスキーに行こうという値段とは比べられないものでした。
これらの商品を定価で購入していては旅費を大幅に超えてしかも登山家でない、しかもヒマラヤがネパールにあったことも知らなかったアメリカのおとぼけ者がこんな本格的ギアを集めてどうするのよ!と、そこはインターネットサーフの時間がたっぷりある隠居の身である私は、昼ハイキング、夜はネットサーフの毎日となりました。
おかげさまで、$500の靴を$180で探し出し(サイズが小さいので運よく在庫処分のものを見つけました。)ジャケットも、下着も探しまわった、かなり時間をかけて、、、。
最後のほうはもう買い物がいやになってしまうほど毎日買い物していたような気がします。
けれど、探しだせなかったのがスリーピングバッグ。。。。-20度というのがどうしても値段が高くなってしまう。


「ねえ、スリーピングバッグだけどうしても探しだせないんだけど、$800ってのがあるけど絶対そんなに出せない。」


すると簡単に 「心配しなくていいよ。カトマンズで買えばいい。足りないものはみんなここで売ってるから。」   (お前、もっと早く言えよ。。。。)


ま、これですべてギアも整ったということで、、、、


ところがここまできて大変な出来事がおきたのです。それはネパールの情勢。現在でもひきつずいていますがネパールの国境でインドがガソリンや物資の輸入を阻止してるという異常事態がありまして、穂台湾からの飛行機がキャンセルになったと。ええ、、、飛行機がキャンセルになる。。。
このことはガイド君から聞いてました。事態悪化のニュースはガイド君に入っていたお客が次々にキャンセルしたと聞いて私も焦って調べたところ案の定私の飛行機も運航停止になってる!!!調べないと教えてくれない中国の飛行機会社!!!
そこで、この飛行機をキャンセルして違う飛行機会社の切符を購入しようとしたら、キャンセルになっているわけではないと言う。ええ・・・・??停止とキャンセルはどう違うんだ???
チャイナ イースタンに言わせると、その日になったら停止処分が解けるかもしれないからキャンセルではないという。でも、その日にキャンセルになったら私はどうなるの??
「はい。その時点で新しい飛行機の切符を購入して下さい」
「そんな馬鹿な話ないでしょ、今キャンセルにして、違う飛行機会社の切符購入させてください。」
「いえ、キャンセルにはなってないので、それは出来ません。」


へ・・・・・?


まあ、なんて山アリ谷ありの旅行なのか・・・


「いや、キャンセル待ちしているあいだによその飛行機会社が売り切れになってしまうので、よその旅行会社から切符買います。」
「そうですか。そうしてください。」
「返金は?」
「キャンセルになったら、1,2、ヶ月して返金します。」


へ・・・・????


こんなやり取りがあって実際には私は非情に立腹していました。。。。。けれどこのあほな中国系の旅行会社相手に何を言っても話は通じず、おまけに応対がいい加減で、何回電話してもいい加減に扱われてしまいにはもう言うことありません。って言われてしまう。


結局同じ日に出るキャセイパシフィックを$400増しで買うことになりました。国を出る前から出費がかさんで、かさんですでに$1500はオーバーになってしまったのではないでしょうか?。。。


非情に高額な旅行になってしまいましたがこうして私の翼を広げて、ほぼ目をつぶったまま崖から飛び立つ旅がはじまったのです。


つずく

人生の転換期 2

一枚の写真とは、これ。

まあ、なんと美しい花なんでしょう!!!。しばらくこの花の写真を眺めてからコメントの欄に
「なんて美しい花なんでしょう!、天国に咲く花のようです。」とコメントしたら、この花の写真と撮影した当人からお友達リクエストがきました。。。
それで即お友達になったところ、しばらくして今度はメッセージが来たのです。
話しを聞けば、彼はネパールでトレッキングの会社を持ってて彼自身がガイドをしているそうで、この花はエベレストへ向かう途中に咲く花で標高の高い場所にしか咲かないのだそうです。
まさに天国に咲く花。。。。。


実はこの時はエベレストがネパールにあるという小学生知識も忘れていました。。。。(けけけ・・)
それにトレッキングってなに??? ヒマラヤとエベレストの関係さえ浮かばなかった。。。。
そんな薄い知識の私がメッセージを交換していくうちに彼と私のお友達関係が築かれていきました。
暇な私と暇を潰そうとしてるこの人は登山とは全く関係ない世間話をするようになり、国政の話にさかんになったり、冗談を交わすようになり、私がフェイスブックに近所の山にハイキングに行った写真を投稿するとそれがまた話題になったり。彼のサイトに載っている写真はどれも美しすぎて、だんだんとトレッキングがどんなものかわかってきて興味を持つようになりました。
そんな時に彼から、「10月にアルゼンチンの医者のトレッキングが入っているんだけど、貴女も参加しないか?」とのお誘いが。
「どこ行くの?」
「メラ ピーク」
「それってどこ??」
「6480mの雪山」
「6000mって高くない??」
「ヒマラヤでは一番簡単に登れるピークだよ。二人より三人の方がいいんだ。おいでよ。」
「あんた、軽く言ってるけど近所のコーヒーショップ行くんじゃないんだから簡単に「あ、いいね!行くわ」なんてわけにいかないでしょ!。」
「なんで、おいでよ!楽しいよ。」


こんな会話が数日つずきました。
実はこの坊主35歳の小僧で、小僧のわりには自国愛が強く、頭よくて、英語も十分通じるし、話題性も優れていて、口説くのも上手い。さすが商売人と言いたいがどうやら商売で誘っているわけではなくて本当に私に参加してもらいたい様子。それはアルゼンチンの医者という人の英語が少し片言であるせいで、おしゃべりする相手が欲しかったのか?。


始めのうちは私も「何馬鹿なこと言ってるんじゃ!。」と思っていたけれど、これがこの小僧毎日ヒマラヤの美しい写真を送ってくるようになった。。。どれも涙が出るほど美しすぎ。・・・・
丁度その時、離婚で手放すことになったユタ州にある家が売れた。
そのタイミングたるや、、、


「もしも、行けるとしても6000mって私にゃ無理じゃない??」
「大丈夫、大丈夫!。一週間に6-7時間のハイキングを3日していればいいよ。」


(6-7時間って長くないかい?。。。)


それで、とんとんといつの間にかヒマラヤトレッキング行きが決定したのでした。


さて、ここで決まったものの私、雪山なんか登ったことないし、写真で見るだけの世界で、スキーはしたことあるけどリフトってもんがあって、大抵宿泊は素敵なロッジ!。
けれど、よくよく話を聞いていると「トイレは外にあるところが数箇所。」「シャワーはバケツ半分の熱湯を薄めて浴びて6ドル」「部屋の壁は薄い板一枚だから隣の音が全部聞こえるんだ。」「布団はあるけどスリーピングバッグでねて、電気ないから懐中電灯。」


・・・・・・なんじゃそれ、、、。
それにギアをそろえなくてはいけないという大変な落とし穴が待っていたのでした。!!!。


つずく・・・